坐骨神経痛とは
坐骨神経痛とは、お尻から下肢にかけて痛みやしびれが続く症状のことで病名ではありません。一般に神経痛というとお年寄りのものだと思いがちですが、若い人も結構なられます。ただ、若い人はその症状が比較的軽く、毎日激しい運動をするスポーツ選手を除いては自然に治ることがほとんどです。また、椎間板ヘルニアと筋肉の状態や症状がよく似ていることを考えると、坐骨神経痛がきつくなると椎間板ヘルニアに移行するのかも知れません。
坐骨神経痛の原因は
坐骨神経は臀部の梨状筋を抜け、足へ向かう神経で、抹消神経の中では一番太くて長い神経です。この梨状筋がポイントで、梨状筋が緊張して硬くなると坐骨神経を圧迫して痛みやしびれが現れます。梨状筋は骨を守る支持筋で、それ自体伸縮して関節を動かす筋肉ではないので、柔らかくするのがとても難しい筋肉です。しかもインナーマッスルなので一部しか触診できません。
私は経験から、梨状筋は酸欠で硬くなっているのではなく、下腿の疲労した酸欠の筋肉群の影響で負担をかけられ、緊張しているのだと考えています。その証拠に、坐骨神経痛の人は下腿三頭筋(内外の腓腹筋・ヒラメ筋)と前脛骨筋が例外なく疲労し硬くなっています。それらの筋肉に酸素を送り、正常に働いてくれるようになると、臀部の梨状筋の緊張が取れてくるのが触診でわかるようになり、同時に痛みやしびれも取れてきます。このやり方で梨状筋の緊張が完全に取れれば椎間板ヘルニアも治ります。