あきらめないでください! 変形性股関節症は良くなります
変形性股関節症とは
中高年の女性に多く、医学的には股関節のクッションの役目を果たしている軟骨の摩耗などにより、骨盤の臼蓋(骨盤の受け皿)と大腿骨の骨頭が変形することで動かしづらさ、両足の長さの違いが生じる病気とされています。臼蓋形成不全などで生まれつき股関節が痛みやすい人なら若年でも起こります。
変形性股関節症の原因
股関節は大腿骨頭と受け皿の臼蓋がうまくフィットしており、足を前後左右斜めに動かせるようになっています。歩行により股関節に負荷がかかりますが、正常な状態ではクッションの役割を果たす軟骨が衝撃をやわらげているため、問題はありません。しかし、加齢などで軟骨が摩耗すると、少しづつ骨が変形して炎症が起きてしまいます。
というのが医学の見地ですが、私は股関節の軟骨だけでは歩行や運動の負荷には、到底耐えられないと考えています。骨盤から大腿骨についている筋群はもちろんのこと、大腿の筋、下腿の筋が協同で股関節を守っているのではないかと思います。骨盤を支えている筋肉が股関節も支えていると考えた方が自然です。つまり、いきなり股関節の変形が起こるのではなく、まず下腿の筋肉が疲労し酸欠になって体重を負担するのがつらくなり、大腿の筋や殿筋に負担が及び、その過程を経て股関節に負荷がかかって変形が起きるのではないかと考えています。さらにその過程で身体のバランスを取ろうとするためにウエストの筋肉まで硬くなり、身体が傾いてくるのだと感じています。
治療
変形性股関節症の患者さんの治療をしていると、まだ関節の可動域は戻らない状態でも、下腿の筋や殿筋、腸腰筋などの酸欠の筋を動かして酸素を入れていくと、しだいに痛みは治まっていきます。次に股関節の動きをつかさどる筋肉群のストレッチや体操をしていくと、少しづつ股関節の動きが大きくなり、足の長さも左右均等に近づいてきます。これを繰り返しながら、普段の生活の中で、できるだけ股関節をかばう動きをせずに、歩行を中心に以前の健康だった時の動きを心がけていくことで変形性股関節症は良くなります。
ただ、病歴が5年、6年と長い人ほど治るのにも時間がかかりますが、諦めなければ必ず良くなります。